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書評『米沢文化 2026』Vol. 55 米沢市芸術文化協会発行

1 NPO法人米沢市芸術文化協会(佐藤繁会長)が発行する機関誌「米沢文化」。同協会の前身である「米沢文化懇話会」は、昭和39年11月発足で、爾来、62年にわたり、米沢市の文化を創造し発展させてきた団体である。
 巻頭言では、昨年5月に会長就任した佐藤繁氏が寄稿し、「会員の高齢化と会員数の減少が顕著となり、組織の屋台骨をいかに維持していくかが喫緊の課題」と問題を認識し、こどもアートプロジェクトや市民芸文講座などを通じて、「次世代へのアプローチを試みながら、いかに継続的な担い手を迎えるかである」と述べている。佐藤会長は、創立60周年を経て次のステージに進むにあたり、「伝統の継承、革新的な門戸開放」という方針を打ち出した。
 巻頭では8頁にわたり、アーツミートオキタマ2025、芸文協総会、総合展、よねざわステージフェスティバルなどの活動をきめ細かく紹介する写真が掲載。これらを見ると同会がいかに幅広い領域で活動を行っているか知ることができる。
 同協会理事の髙橋捷夫氏が「沖縄と米沢」と題して寄稿した。米沢と沖縄の関係は明治初期に遡る長い歴史を有する。その始めが米沢藩最後の藩主上杉茂憲が沖縄県令になったこと。ほかにも伊佐早謙、伊東忠太、千喜良英之助、田中俊雄などの米沢人を紹介している。田中俊雄の沖縄研究資料や収集物は、先の大戦で荒廃した沖縄で、織物の歴史の復活にも繋がった。次に米沢出身で、文藝春秋社長になった千葉源蔵を紹介している。千葉は、第10代米沢有為会の会長になった人物である。
  また米沢市のホテルモントビュー1階で、禅林堂を営む木村武征氏は、「隻腕の怪商ー羽黒堂・木村東介ー」と題して寄稿した。木村東介は、東京都文京区湯島天神近くに、古美術店「羽黒堂」を作った米沢人。「奥州げてもの」と称する展覧会を開催して、大盛況を博するなど歴史的人物である。木村東介が、米沢出身の書聖宮島詠士とのたった一度の出会いは衝撃的である。ジョン・レノンもオノ・ヨーコと共に来店した話も触れられている。先日、米沢で開催された禅林堂の古美術展は大盛況だった。
 阿部宇洋氏は「草木塔再考」、清野春樹氏は「最近分かった米沢の地名の由来について」と題して寄稿した。清野氏は、米沢駅前の「佐氏清水」を取り上げた。源義経に付き従い、香川県高松市の屋島の戦いで義経の身代わりとなり、矢を受けて討ち死にした佐藤継信やその弟の忠信の父、佐藤正信の別邸遺跡とされている場所。清野氏は、「佐氏」がアイヌ語の「さし」で、アイヌが神に祈る「祈祷所」であると明らかにした。
 米沢市上杉博物館館長の曽根伸之氏は、「吉田綱富見聞雑記」について寄稿した。吉田の住んだ家は、米沢市南原猪苗代町にあり、現在は、音楽家・ピアニストの福田直樹氏が買い取り、活動の拠点にしている。ほかにも地元関連の出版物の紹介、俳句、短歌、川柳などの文芸など、とても充実した内容で今号も読み応えがある。(書評 成澤礼夫)

発行人 佐藤繁
発行  特定非営利活動法人 米沢市芸術文化協会
    TEL・FAX 0238−22−7015
発行日 令和8年3月31日